CLOSET ANIMAL
Nippon Copack Inc.
2024
“1本”から“1体”へ。販売困難なB品ハンガーを“動物”に再編するワークショップ・工作キット。
ハンガーメーカーのCOPACKと共に立ち上げたアップサイクルプロジェクト。配送時に傷ついたり、塗装にミスがあったりして、販売できなくなったB品ハンガーを、さまざまな動物のスカルプチャーへと再編する企画を立案。ワークショップの開催や、工作キットの販売等を実施。
Challenge
わけあって販売できなくなったB品ハンガーは捨てる他ないのか?
「日常的に長く使える」「末広がりの形は縁起が良い」などの理由から、日本国内では木製のハンガーを小学校の卒業記念品として生徒に贈る学校が増えつつあります。その一方で、記念品ということだけあって、求められる品質基準は高く、ちょっとした傷や塗装ムラなどが原因で販売できなくなってしまうという課題も孕んでいます。2022年では、メーカー1社の生産数約29,000本/年に対して、2割超がB品として販売チャネルを変えるも売りあぐね、倉庫を逼迫し、最終的には廃棄せざるを得ない状況がありました。
Solution
"再編"を消費者に委ね、アップサイクルのコストを抑えつつ、元来とは別のマーケットへ再流通。
B品ハンガーをはじめとする、メーカーやアパレルブランドの倉庫に眠るハンガーの新たな活路を拓く方法として、ハンガーを切断した木片を工作キットのような体裁へと整え、販売・提供、ユーザー自身が組み上げることで“動物”の姿へとカタチを変える”仕組み”を提案。クリエイティブな体験ごと提供することで、この取り組みの背景や環境課題に意識を向けてもらえるだけでなく、家族や自分の手で完成させる"作品"として、手元に残り続けるモノを目指しました。
Craft kit
B品ハンガーちょうど1本分の木片が詰まった工作キット。
Workshop
自分だけの“一体”をつくるワークショップ。
B品ハンガーをいくつかのパターンに切り分け、さまざまなカタチの木片を用意、参加者はその木片を組み合わせ、自由に“動物”をつくることができます。製品の背景やメーカーの試行錯誤、世の中に溢れる環境課題について、遊びの中で学べる機会を計画。COPACKが定期開催しているイベント「東東京市」での恒例コンテンツとなっています。アパレル企業の余剰在庫ハンガーを活用したコラボレーション企画等も開催。
Impact
「第18回キッズデザイン賞」を受賞。
B品ハンガーとものづくり体験の組み合わせの着眼点や、ちょっとしたキズでも製品が捨てられている現実への気づきにつながる点等が評価され、「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門」において「第18回キッズデザイン賞」を受賞しました。
キッズデザイン賞 受賞作品概要ページTeam
Partner : Nippon Copack Inc.
Creative direction : Takumu Imoto
Planning, design : Takumu Imoto, Ryosuke Sakamoto