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Parcel, H Stool
HIRAMIYA Co.,Ltd.
2019

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紙のように軽やかな鉄のプロダクトで、工場固有の高い技術力を世界へ発信。

板金加工工場のヒラミヤの技術を活かした製品の開発と、技術力の発信を目的としたプロジェクト。1枚の鉄板を小包や折り紙のように折り込んだ鉄のストレージと、H形鋼に習い構造強度を高めつつ、材の厚みを限りなく薄くした、紙のように軽やかな鉄のスツールを企画・設計。展示・販売までを伴走。

Challenge

OEMで培った技術を製品としてカタチに。

板金加工工場のヒラミヤでは、店舗内装から鉄道部品まで多種多様な板金加工を行っています。そのほとんどが外部の企業からの依頼を受けて製造する「OEM」である背景からも、なかなかその技術力を一般に発信する機会がありませんでした。そこで、いつもの一般的な板金加工からもう一歩踏み込んだチャレンジングな自社製品開発を通して、板金加工技術を“拡げる”ことを一つの目標にプロジェクトが発足しました。

Parcel

溶接やねじ止めを行わない、“小包”のような鉄のストレージ。

切断した1枚の鉄板を、溶接やネジ止め等を一切行わず、小包や折り紙のように折り込むことで、容れ物としての形状を留めた鉄製のストレージ。板金加工のひとつである「曲げ加工」を応用することで実現しました。何度も折り込むつくりは、職人あってこそのもので、機械には真似のできない微妙な調整が不可欠です。従来では溶接やネジ止めに割いていたコストやリソースを、まだ誰もやったことのないユニークなプロセスへと置き換え、付加価値へと転じました。

H Stool

紙のように軽やかな鉄のスツール。

建築構造材のH形鋼に習い、構造によって全体の強度を十分に確保しつつ、素材自体の厚みを限りなく薄くすることで、まるで紙のように軽やかな造形に仕上げた鉄製のミニスツール。仕上げにより痕跡が消されていますが、溶接のみでスツールとして十分な強度を保つため、接合部には仕口を設けています。

Impact

「MATERIAL IN TIME」への参画、「DFAアジアデザイン賞」を受賞。

日本の素材・技術を世界に伝えるプラットフォーム「MATERIAL IN TIME」への参画を皮切りに、香港と日本の数拠点にて展示・販売を実施。世界20ヵ国から1000件を超える応募があったDFAアジアデザイン賞2020のプロダクト・インダストリアルデザイン部門で「Parcel」がメリットアワードに選出されるなど、当初の目的であったヒラミヤの技術を広く知ってもらえる機会を創出する結果に繋がりました。

DFAアジアデザイン賞 受賞作品概要ページ

Team

Partner : HIRAMIYA Co.,Ltd.

Creative direction : Takumu Imoto

Planning, design : Takumu Imoto, Ryosuke Sakamoto

Product photography : Masataka Nakada (STUH)
Exhibition visual (MATERIAL IN TIME) : Junya Igarashi