
- 12/JU-NI
- ヘアケアブランド「12/JU-NI」の立ち上げ伴走・クリエイティブ開発
- 老舗石鹸メーカーの木村石鹸がつくるヘアケアブランド「12/JU-NI」。その立ち上げに際し、コンセプト、ブランドアイデンティティ、ネーミング、ロゴ、タグライン、パッケージ、各種ツールなど、トータルで支援しました。流行や慣習を無視した"正直さ"をコアに、小さなメーカーにしかできないアウトプットや、人柄が滲むようなコミュニケーションを展開しています。
- 2019 – Ongoing
- PartnerKimura Soap
- RoleStrategy, BI/BX, Design
- OutputLogo, Tagline, Statement, Products, Packages, Visuals, leaflet, Copy, Illustration, etc.
Challenge

- "すごいシャンプー"ができた、さてどう売り出そう?
- 「石鹸が主体のシャンプー」をつくろうと模索する中、"とにかく良いものをつくろう"と方向転換したことをきっかけに、多胡さんという一人の開発者の長年の試行錯誤から生まれたシャンプー、それが12/JU-NIの原形です。そんな経緯から、「本当に良い商品。ただ"石鹸"でもなければ、話題の成分等が入っているわけでもない、どう組み立てよう?」と、代表の木村さんから相談を受けたのがプロジェクトの始まりでした。
Solution

- "正直さ"をコアに、人柄が滲むようなコミュニケーションを。
- ヒアリングを通して得た事前情報を整理した際、いちばん輝いて見えたのは木村石鹸自体の熱意と開発プロセスの内に宿る"正直さ"でした。それをコアに据えブランドを組み立てることを提案。例えば、パッケージは市場で目立たせるために取り繕うのではなく、好きになってもらうために削ぎ、コピーは、よくある売り文句を唱えるのではなく、「合わない人もいる」ときっぱり断言するなど、あらゆるタッチポイントで"正直さ"を軸に、ブレのないコミュニケーションを計画しました。
Outcome

- 木村石鹸の看板商品として、外からも内からも愛されるように。
- 先行販売を行ったクラウドファンディングでは支援購入額500万円超えを達成、化粧品分野では稀有な事例となりました。その後一般販売を開始し、後続商品の追加や、各種メディアでの掲載機会の増加など、勢いを増しています。その他、DFAアジアデザイン賞2020 (香港)のコミュニケーションデザイン部門でBronze Awardを受賞するなど、国内外での評価も獲得。また、木村石鹸社内でもブランドアイデンティティに沿った企画・クリエイティブが自走し、益々活性化が進んでいます。



Naming, Logo, Tagline
- "正直さ"を大切にしつつ、"変わり者"を予感させる装いに。
- 独特な提供価値を予感してもらうために「12/JU-NI(ジューニ)」という少し変わった名付けを行いました。「1年は12ヶ月・時計は12時まで」と、人の暮らしに根深い数字であることや、髪の適切な水分量が約12%であること、などいくつかの意味を含ませつつ、日本語読みの「ジューニ」を呼称に、漢字表記の「十二」をロゴタイプに採用。また、一人の開発者の試行錯誤からスタートしたブランドストーリーに通づる「Engineering for Haircare」というタグラインも設計し、世界観をより直感的に捉えられるようにしました。


Packages ver 1.0
- 目立つことよりも、好きになってもらうことを大切に。
- ボトル、ボトルカバー、配送用ダンボール、詰め替え用パッケージまで、全てのプロダクトで表現を一貫。メーカーとしてのリスクを抱えつつも中身の状態が丸見えな透明のボトルを採用したり、開発者個人のサインを明記するなど、徹底的に"正直さ"を貫き、そのクオリティへの確信や熱意を伝えられるように全体のコミュニケーションを設計しました。※現在は仕様変更



Leaflet, Illustration
- 何もかも包み隠さず伝える異様な文字量のリーフレット。
- 12/JU-NIの名にちなみ、12項目、5,000字を超える膨大なコンテンツを掲載したリーフレットを計画。商品との向き合い方から、開発者の想い、髪に対するマインドセット、製造環境まで、何一つ包み隠すことなく、その熱量ごとユーザーへとしっかり届けます。

Packages ver 2.0
- 既存商品のアップデート時も、後続商品の投入時も、一貫した態度で。
- 梱包資材の削減や、バイオマスプラスチックを用いたボトルへの切り替えなど、環境課題に向き合う木村石鹸の方針に呼応して、12/JU-NIパッケージ一式のアップデートも伴走。また新たな商品として「さらさらタイプ」が加わるなど、何度かラインナップの在り方ごとアップデートする機会もありましたが、いずれの場合も当初に打ち立てたブランドアイデンティティが変わらず拠り所として機能しています。


Team
Brand strategy, Direction, Design: Takumu Imoto (broom inc.)